2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2006022303

追記。 地元の駅に帰るといつかは行こうと思ってた「バナナパスタ」という店がつぶれていた。カウンター式のパスタ屋で、キッチンの奥に巨大なバナナのオブジェがでかでかと飾られている悪趣味で低俗な店だ。僕はこういう悪趣味で低俗な店が大好きなので一度…

2006022302

ショック。某社筆記試験の後で久しぶりに神田古本屋街を覗いてみたところ、ランダムウォークが閉店するらしい(知ってた?)。アート関係、思想・理論、それから現代文学が洋書と翻訳半々くらいで入り混じったオサレな店で、神田に来たときには毎回覗きに来…

20060223

Ev、ガヤトリ・スピヴァク『文化としての他者』適当に流し読み、その後レポートのためにMahasweta Devi, _The Imaginary Maps_再々々読。SpivakがDeviを評価するあり方は、一言で言えば彼女が「関係の失敗」を描いているから、ということにあるだろう。その…

20060222

Am、先日の学会からちょっと気になっていることがあってデイヴィッド・ハルプリン『聖フーコー』を二年ぶりに再読。今フーコーについて考えるのであれば、ある程度文脈を限定した中で彼の問題系がどれだけ有効か(政治的に「使える」か)を問うのが一番生産…

暮沢剛巳『美術館はどこへ?―ミュージアムの過去・現在・未来』

ちょっと前の話だけれど、ナム・ジュン・パイクが亡くなった。何となくそれから考えていたことが、暮沢剛巳『美術館はどこへ?』を読んでるうちに形になった*1。 この本は基本的に、ルーブル以降のいわゆる「近代ミュージアム」のあり方を(その前身となった…

20060220

小学生の頃、学校の図書館が嫌いだった。 もちろん本が嫌いだったわけではない。多分今の倍くらいは読んでいたと思う。けれど学校の図書館は、古くてぼろい(何だか臭い)本が山のようにあって、これ全部読むことなんて多分一生できない、と絶望しつつ、世の…

20060219

土曜は簡単に書いたように学会。「お茶の水女子大学21世紀COEプログラム:ジェンダー研究のフロンティア/Project D英語圏第三次年次大会:文献討論会「L. Bersani, The Freudian Body:Psychoanalysis and Art を読む」」。長い。もう一日分くらい書いた気…

ナサニエル・ホーソーン『緋文字』

二十世紀以前のアメリカ文学の最重要作品の一つといわれる、姦通小説です。胸に(罪の徴である)Aの刺繍をされる女の話。 このAの文字、罪の徴であると同時に彼女が(社会的にはともかく少なくとも町の人の心理的に)受け入れられるにしたがって家庭の徴を…

アーネスト・ヘミングウェイ『日はまた昇る』

というわけで今度はモダニズム。どうでもいいけれどなんでこんなタイトルなんでしょうか*1。禁酒法時代、アメリカを去ってヨーロッパへ行った所謂「失われた世代」の男女の物語。 この小説の面白いところは、紹介する人が主人公(男)とブラッド(女)の関係…

ティム・オブライエン『世界のすべての七月』

ってわけで今度はヴェトナム戦争とそのトラウマ的記憶、お分かりの通りオブライエンです*1。 舞台は2000年、1969年当時の同窓会に集った男女のそれぞれの30年について語られます。それが直接的に戦争をテーマにしたものであってもそうでなくても、トラウマ的…

John Irving, _Setting Free the Bears_

で、「何だかすでに失われているみたいな感じ」&村上春樹つながりということで、最後はアーヴィング。今度映画になるんだっけ(もうなった?)。勿論邦訳も出てますが、何となく原著(実は未だ3/4くらいしか読み終わってないのですが)。 「歴史がすでに…

20060218

今日は学会。最近電車に乗る機会が多くて、往復で二時間も乗っていると一冊くらい本が読めてしまうので個人的に古典強化月刊ということにして色々読んでます。備忘録をかねてここ一週間で読んだ小説のメモを、読んだ順に。超簡潔です。

20060217

五時起床、近所のおいしいパン屋で買ったバゲットにブロッコリーのオムレツとヨーグルト、それから最近はまっているミネラルウォーターで朝食。音楽は小野リサ。買ったばかりのオリーブオイルが美味しい。バゲットはバターでなくバルサミコ酢を数滴垂らした…

2006021602

今日、真っ赤な自転車に乗った、真っ赤なストッキングの女の人とすれ違った。 こうやって言葉にするとなんてことはない気がするけれど、雨の日の大学通りにその赤がよく映えていて、少しどきどきした。

20060216

午前中は美術の講義のレポート。 Andy Warhol、"Diamond Dust Shoes"について書こうと思うが、Fredric Jamesonのポストモダニズム批判とSusan SontagからのQueer Warhol論(師匠の本を引用しつつ)の整理で終了。何も新しいことが言えなかった。論文の狙いと…

ワリス・フセイン『小さな恋のメロディ』2

前に言ったように、二人はある日授業をさぼって海へでかける。海岸のジェットコースターに乗り、綿菓子をかじりあい*1、バス停に並んで好きな授業の話をしたりする。まだ寒い海に飛び込んだ二人は、並んで砂の城を作り始める。砂山に穴を通しながらダニエル…

ワリス・フセイン『小さな恋のメロディ』1

1990年代もまだ長く残っていたその夏、僕は毎日彼女と一緒に下校していた。 家が近かった。小学校から数百メートル、僕の住むマンションの直前まで並んで歩いて、路地を右に折れる。 路地はちょっと目には気がつきにくい。郵便局の支店のようなことをやって…

村山敏勝『(見えない)欲望へ向けて』、安野モノコら『JAPON:Japan×France Manga Collection』1

しかし、そもそもものを読むとは、他人になること、同一になれるはずもないものに同一化することだ。そして…同一化と欲望とは区別がつかない以上、読むことは原理的に性的かつ無作法なものでしかありえない。 要するにわたしは、たとえ自分勝手な愛しかたで…