2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィム・ヴェンダース「リスボン物語」2

記憶を映像メタファで語ることは、もはや一種のクリシェになった。ビデオカメラを持って歩き回った記憶は、残っている映像そのものに取って代わられる。だが、無論残っている映像は僕が見たものではない。そして、それを見返すたびに僕たちは、その映像が常…

ヴィム・ヴェンダース「リスボン物語」1

「明るい太陽の下では、音でさえも輝いている」(ペソア) 「白は深い沈黙を象徴するのでなかった。過剰な絶句そのものだった」(大久秀憲*1) ヴィム・ヴェンダース監督「リスボン物語」の時間は、ヴェンダース作品特有のじりじりするような流れ方で過ぎて…