映画

TOKYO!狂った街

今日も今日とてid:shokou5くんとデート。渋谷でオムニバス映画『TOKYO!』を見てきました。いやあ、よかったです。 形のない疎外感に悩まされる女の子を描いた<インテリア・デザイン>(『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー監督)に胸を痛…

アーセナル!

渋谷。セガフレード、ときどき文化村。 サム・ガルバルスキ「やわらかい手」 http://www.irina-palm.jp/ 16h@渋谷。 コンクリートの壁に囲まれた殺風景な部屋。一つの壁には自販機のようなスリットと、それからちょうど腰くらいの高さに小さな穴があいている…

20080101

年末は映画みたりSF読んだり、友人の寮に押しかけて年越し蕎麦を食べたりしていました。チャットモンチーが売れているのは仲が良さそうだからだ、とか、実存主義を乗り越えた活動再開後のミスチル(というか桜井さん)がセキュリティ思想へと至った必然と…

Let's hope it's a good one

「ピーターパン症候群」という病気はぼくと同じ1983年にうまれた*1。病気がうまれる、というのはフーコー的な意味で・言説としてうまれるのであって、そこには何かしらの権力と欲望がどうしようもなく絡み合っている。言ってしまえば「我々」(僕のような闘…

20060721

というわけで、再度買出し。今回は超有名作なのにまだ観てないものが中心です。観てる人はコメントくださると(あまりに大量にあるので)見る順番決めるのに助かるので、よろしく笑 ザ・ビーチ …観てない。アジア旅行の前(だったか後だったか)に友人が凄く…

20060719

悪友がmixiに書いていて知ったのだけれど、僕の地元のTSUTAYAがネ申。 レンタル用ビデオ一掃のため、全てのビデオを100円で売り出している。 仕事帰り早速立ち寄って、両手に抱えたカゴからあふれ出した辺りで撤退。まだ店の半分くらいしか見ていないから明…

トニー・ガトリフ『愛より強い旅』

気がついたら、この間始まったと思っていたガトリフの新作の公開が今日までらしい。友人に誘われて、ついでに別の友達も巻き込んで、ワインを立ち飲みしてから見に行った。 正直に言うと、今ひとつといったところ。相変わらず映像は鮮明だし、何よりラマ音楽…

ワリス・フセイン『小さな恋のメロディ』2

前に言ったように、二人はある日授業をさぼって海へでかける。海岸のジェットコースターに乗り、綿菓子をかじりあい*1、バス停に並んで好きな授業の話をしたりする。まだ寒い海に飛び込んだ二人は、並んで砂の城を作り始める。砂山に穴を通しながらダニエル…

ワリス・フセイン『小さな恋のメロディ』1

1990年代もまだ長く残っていたその夏、僕は毎日彼女と一緒に下校していた。 家が近かった。小学校から数百メートル、僕の住むマンションの直前まで並んで歩いて、路地を右に折れる。 路地はちょっと目には気がつきにくい。郵便局の支店のようなことをやって…

稲川方人『たった8秒のこの世に、花を/画家・福山知佐子の世界』

――敬愛するA.Nに捧げる。 ――――――― 路傍に育つ草、トタンの錆、深夜の路地に生きる飼い主を持たない猫たち、そして野川に立ち枯れている草木や朽ちようとしている花々。これら小さな、か弱い生命に、みずからの「絵画」の原理を見つめて、画壇のアウトサイド…

★ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』3

航海の最後に悲劇が待ち構える。不運な飛行機事故で、ネッドが命を落としてしまうのだ(ちなみにその飛行機にはネッドとスティーヴが乗るのだが、彼らの搭乗の直前にクラフトがネッドと和解する)。 ネッドの葬儀で、スティーヴの出て行った妻の元夫(彼女が…

★ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』2

スティーヴが無精子病だという彼の元妻の告白は、必然的にネッドが彼の「本当の」息子ではないということを意味することとなる。かくしてネッドとスティーヴの関係は、血縁関係でもなく、育ての親子というものでもなくなることとなる。ではこのとき、二人の…

★ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』1

父と子、というテーマに惹かれだしたのは、この冬からのことだ。専門の小説家で論文を書いているうちに、「エディパルな敵意を捨てて、父を引き受ける=愛するようになるっていうのはどういうことなんだろう(そんなことは可能なんだろうか)」ということを…

ウディ・アレン『世界中がアイ・ラブ・ユー』2

簡単にあらすじを。 1996年と比較的新しいこの作品は、語り手(女の子)、その姉、双子の妹、弟、母、再婚した夫(語り手以外は皆この夫の子供)という大家族*1、そして語り手の父にして母の元夫(ウディ・アレン)それぞれの恋愛喜劇を巡るミュージカルとな…

ウディ・アレン『世界中がアイ・ラブ・ユー』

友人がそのまた友人から招待券をもらったというので、授業をサボって久石譲+新日本フィルのコンサートに行ってきた。「十二月の恋人たち」(!)と題されたこのコンサートは、ほぼ全編僕の好みの古典的でロマンティックな映画音楽で、(久石音楽といえばジ…

ヴィム・ヴェンダース「リスボン物語」2

記憶を映像メタファで語ることは、もはや一種のクリシェになった。ビデオカメラを持って歩き回った記憶は、残っている映像そのものに取って代わられる。だが、無論残っている映像は僕が見たものではない。そして、それを見返すたびに僕たちは、その映像が常…

ヴィム・ヴェンダース「リスボン物語」1

「明るい太陽の下では、音でさえも輝いている」(ペソア) 「白は深い沈黙を象徴するのでなかった。過剰な絶句そのものだった」(大久秀憲*1) ヴィム・ヴェンダース監督「リスボン物語」の時間は、ヴェンダース作品特有のじりじりするような流れ方で過ぎて…