2006-04-24から1日間の記事一覧

池内恵『現代アラブの社会思想』

新書(出版は2002年)。買いそびれていたのだが、下北で友人に連れられていったちょい悪宮沢賢治の店で購入。 アラブの社会思想の社会史的展望(イスラーム思想の目的論性や経済との関連など)を論じる前半は、よくまとめてあるな、という印象だったが、終末…

ヘンリク・イプセン『人形の家』

厳密には小説ではなく戯曲。 夫に黙って借金をした(かつその過程で書名を偽造した)妻が夫に心優しく「許して」もらったとき、自分が彼にとって(あるいは自分の父にとって)「人形」でしかなかったことを悟り、家を出て自らの生を生きる、というのが基本プ…

F.Scott Fitzgerald, _Tender is the Night_

その頃に読んだものの途中でついていけなくなり投げ出した本。丸一ヶ月かけて読了。フィッツジェラルドの長編の中では一番文学らしい文学だろう。アメリカ性についてアメリカの外部(ヨーロッパ)から書く、あるいはアメリカン・ドリームについてその失墜後…

20060424

以前「自己実現」が一種の権力ではないか、という話を書いたが、先週のゼミで師匠が全く同じことを言っていて少しおかしかった。流石に十代から二十代の五年間、みっちりと接してきただけあって、影響を受けているのだろう。しみじみとおかしい。