I Find Elsewhere

19h0@新宿。Oさんと台湾料理。今年のノーベル文学賞は誰が取るのだろう、とか。因みに今ラドブロークス(イギリスのブックメーカ)のオッズはこんな感じらしい。

Orhan Pamuk 3/1
Adonis 4/1
Ryszard Kapuscinski 5/1
Joyce Carol Oates 6/1
Philip Roth 10/1
Inger Christensen 12/1
Ko Un 12/1
Thomas Transtromer 12/1
Amos Oz 14/1
Claudio Magris 14/1
Hugo Claus 14/1
Antoni Tabucchi 20/1
Milan Kundera 20/1
Thomas Pynchon 20/1
Cees Nooteboom 25/1
Haruki Murakami 33/1
Jean Marie Gustav Le Clezio 33/1
Mario Vargas Llosa 33/1
Assia Djebar 40/1
Gitta Sereny 40/1
John Updike 40/1
Willy Kyrklund 40/1
Cormac McCarthy 50/1
Don DeLillo 50/1
Eeva Kilpi 50/1
Umberto Eco 50/1
Adam Zagajewski 100/1
Bei Dao 100/1
Ian McEwan 100/1
Julian Barnes 100/1
Mahmoud Darwish 100/1
Margaret Atwood 100/1
Olga Tokarczuk 100/1
Patrick Modiano 100/1
Paul Auster 100/1
Bob Dylan 500/1

こうやって見てみるとしかしあまり納得がいかない人も多い(英語圏以外はホントにうといので判る範囲ですが)。ジョイス・キャロル・オーツってノーベル賞とるほど(しかも今更)の作家か?とか、いくら低い順位でもデリーロやオースターを候補に入れるなよ、とか(ボブ・ディランはむしろまだ判る)。個人的にはユゴー・クラウスか高銀あたりを予想。取って欲しいのはミラン・クンデラとかクラウディオ・マグリスとかなんだけど(アントニオ・タブッキは大ファンだけど流石にないかなあ)。

23h30、体調が悪く、駅から家まで歩いて帰れそうにないので駅前の漫画喫茶に。昔読んでた少年漫画(椎名高志とか)読むうちに寝てしまい、朝に。起きるなり寒気がして後悔。終日研究室。

すばらしい新世界 (講談社文庫)

すばらしい新世界 (講談社文庫)

古典的なアンチ・ユートピアSF。生殖テクノロジーの発達による生の管理、フリーセックスや麻薬の氾濫による「幸福」のフェティッシュ化、条件反射教育で管理される階級社会を特徴とするディストピアをハックスリーが描いたのは1932年、「1984年」の書かれる16年前だからなかなか凄い。今にして読むと①フォーディズム、生殖管理、社会の大衆化という(ダメな意味での)ポストモダニズムの進行を描きつつ、それを体現する全体主義社会が明らかにナチスドイツの形象をとっていることもそうなのだが、②ここで示されている「家族の否定」としてのディストピアって、今のバックラッシャーによる暗い未来像と非常に似通っている点が興味深い。言うなれば文字通りの「フェミナチ」なわけですね。といってもハックスリーのテキスト自体にはこうしたポストモダニズムの進行を女性性の台頭と結びつけるところは殆どないわけだけど、やっぱり今読むと政治的には色々微妙な気も。小説としては、序盤でのモンタージュ的場面なんかが映画的でうまい。