20060403

今日は友人と研究会。それぞれ自分の専門に関わる本(で自分以外の誰かが喜びそうなもの)についてレジュメを切ってきて発表しあいました。以下簡単に紹介。
 
・Susan Faludi, _Backlash: The Undeclared War Against American Women_
Backlash: The Undeclared War Against American Women
社会学をやってる友人の発表。80年代フェミニズム批判のバックラッシュ神話についての、歴史的・文化的・個人心理的等様々な角度からの議論。研究書というよりジャーナリスティックな本らしい。全米批評サークル賞受賞作品で、相当ベストセラーになったらしい。なかなか面白かった。
 
スラヴォイ・ジジェク、『操り人形と小人―キリスト教の倒錯的な核』
操り人形と小人―キリスト教の倒錯的な核
日本では最も新しく出版されたジジェクの本の一つらしい。文学やってる友人の発表。キリスト教について精神分析の観点から批判するって本らしいが、引き合いに出される仏教が誤解に基づきまくっていて少し微妙だった。友人曰く、スロヴェニアン・ジョークが秀逸らしい。
 
・Robert J.C.Young, _White Mythologies: Writing History and the West_
White Mythologies
業界用語で「白味噌」と呼ばれるポスコロの大著。文化研究やってる友人。マルキシズムポスト構造主義の間の歴史理論論争からポストコロニアリズムへ、という流れらしい。にしてもサルトルがよくわからん。
 
専門外の議論を聞くのは頭の普段使ってないところを使う感じがして気持ちいいのですが、にしても久しぶりに院の友人と集まり、知的な議論をしたのは単純に楽しかった。キンケイドについても色々突っ込まれて(彼の議論は現代アメリカでしか当てはまらないのか?)。にしても我ながら引くのは、キンケイドの挙げる映画や小説などが(メジャーなものであるというのはあるのですが)悉く見たことのあるものだったということ(そして彼の挙げるシーンが妙に印象に残っていたということ)。映画「スタンド・バイ・ミー」で少年達が沼を渡る時に、巨大なヒル股間に吸い付いてしまうシーンとか、みんな覚えてます?