20101023


夜になるとすでに外気が0℃以下になります。一番の問題はタバコがひどくまずいことです。タバコ吸いのひとはわかると思いますが、タバコは外気との温度差が激しかったり勢いよく吸いすぎると、燃焼しすぎていがいがした味がするのです。対策考え中。

The Second Treatise of Government and A Letter Concerning Toleration (Dover Thrift Editions)

The Second Treatise of Government and A Letter Concerning Toleration (Dover Thrift Editions)

19世紀アメリカ文学の授業にて。王権神授説の否定(しつつジェイムズ一世をある程度救おうとする)、ホッブスよりはマイルドな自然状態の想定と社会契約の主張、名誉革命の祖、というあたりを読み流しつつ、気になったのは序盤で展開される労働論。共有財に労働を加え個人の所有物にすることは同時に価値を増大させることである、というのがロックの所有財産論の基本ですが、これはつまり個人の労働自体を当人の所有物とみなす考えであり、たぶん初期マルクスもこちらに近い…と思う(ここがあまり自信がないのですが)。翻ってネグリ/ハート的な労働観においては労働とはつねにすでに共有財であり、個人所有財産はその矮小化された形態にすぎない。この差はそのまま、名誉革命論の展開においてロックが統一された意思にもとづく人民を称揚しつつ「混乱したマルチチュード」(Locke 117)を批判する仕草、あるいはアナキズムを批判する仕草に照応するものと思われる。

(読書メモ)
Derrida, Jacques. "Declarations of Independence."
独立宣言の署名は、すでに確立した自由の陳述的言明という形をとったパフォーマティヴな行為である、という基本テーゼは、アーレントの論ずる、パフォーマティヴな行為としての自由(法的権利ではなく、個人にも集合的主体=ネイションにも拠らない、ナショナリズムなきネイションを可能にするような集合的な行為)を思わせる。エイジェンシーを持ちえず、代理/表象しかできないジェファーソンの「苦しみ」を指摘するのはデリダらしい。