趣味は研究会。


5年位前から、気の合う友人や先輩と研究会を開くことが一番の楽しみでした。
ということで、日々のコースワークでいっぱいいっぱいにも関わらず、昨日はGraduate Group of Queer Studiesの初回ミーティングに参加してきました。今年は(予算がいくらでるか不明なので)他研究会と合同で外部からゲスト・スピーカーを招くか、できなければ読書会を行う、ということで話が落ち着きました。あとすでに決定事項としてこの冬は他大から研究者を招いて講演をする、とのことで、楽しみです。

Compassion Fatigue: How the Media Sell Disease, Famine, War and Death

Compassion Fatigue: How the Media Sell Disease, Famine, War and Death

人権についての批判法学・文化研究・文学研究の学際めいた講義にて。メディア・スタディーズの立場から(著者自身は写真家だった気がします)、90年代のアメリカ国外の事件・災害等の報道の恣意性を批判しつつ、それがいかに視覚イメージとステレオタイプ的メタファを通じて「遠く離れた苦しみ」をアメリカ化し、商品として消費しているか、というのが基本的な議論。個人的には「冷戦期には『第三世界』の小さな事件も国益に関わる政治的事件として重要であったのが、ポスト冷戦期にはそうした形での関心を保つことが難しくなったため、『人間的/人道的』問題として表象されるようになった」(Moeller 24)というくだりが興味深かった。「人権」の言説がいかに冷戦イデオロギーに取って代わる非政治的なものとして現れたか、ということですが、これは(Schaffer and SmithがHuman Rights and Narrated Livesにおいて論じていたように)90年代のライフ・ナラティヴブームとあわせて考えることができると思う。