きのう何読んだ?

Lisbon222008-01-03


年末に入ってから六日連続で飲んでいる。これは文字にすると飲んで飲んで飲んでまた飲んで飲んで更に飲んだわけで、勤勉、継続は力、実直、といった言葉がすぐに浮かんでくることと思う。というわけで、来週には25歳になるもう若くない身、今日は休肝日として渋谷セガフレードで昼ビール一杯に留めました。
いやしかし渋谷のセガフレードは良いですね。客席は広々としているし人は109のすぐそばとは思えないくらい少ないし珈琲はチェーン系じゃ一番美味しいし価格はインディーのカフェよりはるかに安いし酒もビールからショットまで充実してるし煙草は吸えるし最高!セガフレード最高!これだけ書いたんだから明日もビール一杯で何時間も粘らせてください。
夜、昨日読んだよしながふみのせいで料理がしたくてたまらなくなり、久しぶりの自炊。白菜はざく切りにして鍋にひたひたの水でさっと煮込み、一度あげたら玉葱のみじん切りをベースに作ったホワイトソースに再度投入してくつくつと煮込む。白菜から水分と甘みが出るので水も味付けもほんの気持ち程度。平行してパスタを茹で、茹で上がったら大根おろしと紅葉おろしとたっぷりの鰹節とツナ缶を乗せ、ウスターソースをさっと振り掛ける。副菜はにんじんを(パスタのお湯で)さっとゆでたのと小さな納豆オムレツ。作ってから思ったけどパスタはやや体が冷えるが、美味。白菜のホワイトソース煮は沢山作ったから冷蔵して同居人と分け合おう。

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

弁護士(料理好き)と美容師のゲイカップルもの。いやあ良かったです。美容師の方がね、美容院の客に自分達のことを話したことで相方の弁護士に責められたりするんだけど、その時泣きながら「でも店長はお客さんや自分の奥さんや子供の話をするよ?何で俺だけ自分といっしょに住んでる人の話を誰にもしちゃあいけないの…?」って言ったりね。弁護士の方が実家に帰ったら、母親に「お母さん、史朗さんがゲイでも犯罪者でも史朗さんの全てを受け入れる準備があるつもりよ」って言われて、心の中で「結局俺は母さんにとっちゃ犯罪者と同じか…」って突っ込んだりとかね。よしながふみは(「愛すべき娘たち」とかもそうだけど)設定されている読者の意識レベルが高く、このマンガの問題設定も露骨なホモフォビアとの対峙や「カミングアウト」ではなく、リベラルな「善意」だったり、もっと見えないところで働いている権力だったりするのが、とても良かったです。
Billy Bathgate: A Novel

Billy Bathgate: A Novel

実在のギャング:ダッチ・シュルツの晩年とビリー少年のアメリカン・ドリーム獲得を通して、近代からポスト近代への転換期(或いは高度資本主義のはしり)としての30年代を描く、とまとめれば一行なのですが、やっぱりしみじみとドクトロウは小説が上手い。血沸き肉踊るもんね。ジェイムソンなんかは小説として上手すぎるところが嫌いなんでしょうか。
Zoontologies: The Question of the Animal

Zoontologies: The Question of the Animal

翻訳中なのでコメントはしづらいのですが。ジジェクにしろバトラーにしろ、ラディカルな民主主義の主張はつまるところ「異議申し立てに開かれた、動的なヘゲモニー空間」というものであるわけで、原理的に異議申し立て能力を持たない他者をどう考えるか、となるとそれは倫理の問題でしかありえない。ここでサイボーグだったり人工生命だったりをどう考えるか、となると、この「原理的に異議申し立て能力を持たない」という「原理性」は何からくるかも考えなければならないとは思うのですが。