戦争にはちょっと反対さ
ぼくは、中身のない会話がすきだ。中身のない会話をしているときは、休日の神さまとうまくやれている気がします。休日の神さまは気合の入ったデートの時にはなかなか光臨してくれないくせに、何気ない平日の午後にふっとやってくる(気合の入ったデートなんてここ数年していないけど)。吉祥寺のパルコの上にいる休日の神さま。吉祥寺の駅から徒歩20分くらいの、三鷹よりの線路沿いのアパートに住んでいる休日の神さま。休日の神さまはビールを供えないとすねてしまうので、休日の神さまに出会えた日には不本意ながら昼間だろうがビールを飲まざるをえないのです。
20o'clock@squall。紅茶ビール、ベトナム風焼肉のライスボウル、カフェモカ。夜は暖かく、朝は寒い。帰宅、布団の中で小説読むうちにうとうと。
- 作者: レーモン・クノー,生田耕作
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1974/10/10
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- 作者: エマニュエル・ボーヴ,渋谷豊
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こちらもパリに住む主人公のバトンくんは、負傷した退役軍人です。今は何も仕事はしていません。彼はさびしがりなので友達が欲しいと心から思っているのですが、おそろしく器の小さい男なのでなかなか友達が出来ません。まじで小さい男です。これだけ器の小さい男はしばらくぶりに読んだので(ホールデン君なんて目じゃないくらいのダメ男ぶりです。でもホールデン君とおなじように彼もよく読むとロリコンです)、なんだかとっても嬉しくなってしまいました。
小さい男であるがゆえにさびしがりやで、誰かと通じ合うことを必死に求め続けるバトン君。アンガージュマン系の文学の台頭以降、文学史からひっそりと名前をけしてしまったバトン君。働いていないことで周囲に疎んじられ、しまいには家も追われるバトン君。僕はバトン君が他人だとは思えません。
ぼくみたいな働かない人間、働くことを望まない人間は、いつだって嫌われものだ。
ここは労働者の集まるアパートだ。その一室に住んでいながら働かないぼくは、きっと、ただの馬鹿だと思われていたのだろう。でも、ほんとうは、みんな、ぼくを羨んでいたにちがいない。ぼくは、自由であり続けるために、肉も映画も毛糸のセーターも断念した人間だ。そのぼくと顔をあわせると、彼らは自分の不自由さを自覚せざるを得なかったのだろう。
バトン君は、本当は、とても幸せな人間なのでしょう。