How to Pretend Not
16h30@cafe apres-midi。語学の授業をサボってお茶。夕方のapres-midiの窓(通りに面したほうじゃなくって隣のビルとの間にある細い窓)は水族館みたい。Yo La Tengo "I AM NOT AFRAID OF YOU AND I WILL BEAT YOUR ASS"購入。幸福。
ここ何日かで読んだ本を。
Precarious Life: The Powers of Mourning and Violence
- 作者: Judith Butler
- 出版社/メーカー: Verso
- 発売日: 2006/08/17
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: ドンデリーロ,Don Delillo,渡辺克昭
- 出版社/メーカー: 本の友社
- 発売日: 2000/05
- メディア: 単行本
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今の所デリーロの代表作の一つであるこの小説は、テロリストらによる誘拐事件、カリスマ作家(メディアに出ないことでカリスマ的人気を誇る)の失踪、その助手の愛の物語辺りがくるくると入れ子上になっている物語で、こうやって書いてみるとPowers, _Plowing the Dark_みたいだけれど実際割と似ています。でもデリーロの方がちゃんとポストモダン小説していて、解決は与えられないしカタルシスもあまりない。それゆえ逆に「肖像写真」のアウラ、創造と(どこかにあるかもしれない)真正さに賭けているところもあって興味深い。友人に聞いたところ、お茶大の院では今「テロ小説」批評の一貫としてこれを読んでいるらしいです。でも(この小説が書かれたのは1991年なんだけれど)NYを舞台にしつつWTCビルがテロ小説であるこの本の要所要所でいい味を出している辺りは、さすがという気がする。あとやっぱりこの人設定の作り方(舞台が1989年だったり、「群集」を最大のモチーフとしながら主要登場人物の一人がカルト宗教にはまっていたりとか)はうまい。うますぎるがゆえにあまりにかっちりと枠にはまっていて、論じるに当たって妄想力の飛躍があまり許されていない辺りが好きじゃないんだ、と書いていて気がついた。まあ、そういう感じです。